第14回 地震こわい


 

大阪のみなさん、東京は地震が多いです。

あたしが上京したのは6月。
本当は春になったらすぐに(4月くらい)上京する予定だったのだが、震災が起きたことで延期した。それでも「なんで今の時期に東京に行くんだ」「あと2、3年待ってみたら?」と周りのみんなは心配。そりゃそうだ。テレビでは震災関連のニュースが続いているし、放射能の心配もある。

頃合いを見て、東京に住んでる友人に聞いてみた「東京どうでっか?」と。
「もう普通だよぉー」と返事がある。
物流も通常通りだし、電車も普通に動いているし、目立った混乱はないよーとのこと。

ということで東京にやってきた。

ええーと?……どこが普通なの?
大阪のみなさま、関東は揺れまくってます。地震だらけです。ものすごい短いスパンで地震が発生してます。(東北地方、震源地にお住まいの方はもっと怖い思いをされているかと思います)

「もう普通だよぉー」
というのはつまり、「地震はしょっちゅう起きてるけど、それが普通だよぉー」という意味なのか。……いやいやいや、それは普通じゃない!
「もう慣れたよねぇー」
こらこらこら。地震に慣れてたまりますか。

特に東京に来たてのころ、恐怖心が強かった。
右も左も分かららぬ東京の町。今いる場所が、海から近いのか遠いのかも分からない。
関東の地図を正確に思いだせないあたしは「震源地・茨城」「震源地・千葉沖合」……といわれてもここから遠いのか近いのかも分からない。

それにすぐそばに家族や友達がいない、というのがとにかく怖いのだ。周りは得体の知れない東京人だらけ。なにか起きても頼れるのは自分だけ。
もし直下型の大きいのが来たらどうしよう。毎日ビビりながら生活している。
上京して9か月経った今も、地震に慣れることはまずない。

アイフォンで「ゆれくるコール」というアプリを入れている。
なまずのアイコンで有名な、緊急地震速報通知アプリだ。自分の住んでる「地域」と、警報が鳴る「震度」を設定できて、地震がくるときに警告音がなるというアプリだ。
東京に引っ越ししてから「杉並区」「震度3」に設定した。
……なんだこれ、ジャンジャン鳴るんですけど。
大阪に設定していた時は警報が一回も鳴らなかったのに、東京に設定した瞬間に鳴りまくっている。

通知音はNHKの地震速報と同じ音で「チャンチャーン・チャンチャーン」というサイン音。仕事をしているとき、料理をしているとき、突然鳴り響く「チャンチャーン・チャンチャーン」この音がとにかく怖い。怖すぎる。音が鳴るたびにあたしは身構え、命の危険を感じている。
ガタガタガタ……
おぇーー!怖えぇーー!
揺れが終わっても、しばらくは落ち着けない。

アプリに限らず、最近の携帯はどの機種も地震速報の機能がついているらしい。
電車に乗っているときに地震が来て、乗客たちの携帯が一斉に鳴りはじめたのにはびっくりした。
「ビー・ビ―」「チャンチャーン・チャンチャーン」「ウーウー・ウーウー」
みんなの携帯が一斉になるこの現象。それでも電車は普通に走っている。焦ったあたしは非常停止ボタンを押すべきかすごく迷った。が、周りの東京人は平常心。幸い大きな地震ではなかったので、大事には至らなかった。

困ったことに、緊急地震速報が鳴った時点では、どの規模の地震なのかが分からないのだ。
(設定した震度はあくまで予測震度なので、実際には震度3以下でも警報がなる)
毎回毎回警報が鳴るたびに「……だ、大地震かも」と身構え、スナイパーに狙われている級の、恐怖があたしを襲う。
「チャンチャーン・チャンチャーン恐怖症」になってしまった。
……毎回ビクビクしていては心臓に悪いので設定を「震度4」に変えた。実際に周りの東京人の人たちも、あまりに鳴りまくるので設定を「震度4」にしている人が多いらしい。
ちなみに「震度4」に変更してから一回も警報は鳴っていない。震度3と震度4は、そんなに規模が違うのだろうか。
こんど警報音が鳴った時のことを思うと、恐ろしい。

そして地震のとき建物が揺れる、ギシギシ音が怖い。
あたしが住んでいるマンションは築年数が割と経っている。どこかの部屋の人がドアを乱暴にあけたり、階段を勢いよく降りたりするだけでギシギシと音がなってしまう。
普段なら気にならない程度の生活音なのだが、テレビや音楽をつけずに生活していて、さらに地震に対する恐怖心がうえつけられていると、気になって気になってしょうがない。
物音がするたびに「地震?!」と身構え、周りをキョロキョロしてしまう。天井からぶら下がっている電気のひもを目安にしているのだが、大抵はひもは静止したまま。
つまり、地震が起きているという錯覚に陥っているのだ。

最近はあまりにもビビりすぎて、自分の心臓の鼓動で錯覚地震を起こすようになってきた。
ベッドで横たわっているとき、ソファーに座っているとき。スプリングやクッションみたいなふわふわしたものの上にいるときに、この錯覚を起こすことが多い。
ドクンドクンと脈打つたびに、「ゆ、揺れてる?!」と思って身構えてしまう。
どんだけ鼓動が激しいねん、とツッコミが入りそうだがこれマジな話。
さらに追い打ちをかけるように、マンションの壁がギシ……というもんなら、それはもうかなりのパニック。

調べてみると、こんな風に錯覚地震を起こす人はどうやら多いようだ。その大半は精神的な不安が原因だそうだ。あたしも心配し過ぎなのかもしれない。
(ただし平衡感覚を失う病気だったり、貧血だったりで地震と錯覚するケースもあるらしいので、不安な方は病院に)
これからは、もうちょっとリラックスして東京生活を送りたいと思う。

明日3月11日で震災から一年……。
こんな記事を書きましたが、被災地の皆様のことを思うとあたしの心配なんか小さいもんです。
地震や生活の不安がなくなって、被災地が一刻も早く復興することを願っています。

第14回 地震こわい” への5件のコメント

  1. 「ビー・ビ―」「チャンチャーン・チャンチャーン」「ウーウー・ウーウー」
    みんなの携帯が一斉になるこの現象。それでも電車は普通に走っている・・・コワーイ、さすが東京。臆病な私は、そんなだから東京にあまり行きたくありません。しかし、感性を磨きたかったら、「やはり東京!」・・行きたい(ナンじゃ?  今日は震災1年目。あの日の朝、丁度茨城へ息子は出張してました。幸い内陸の古川にその時いましたので助かりましたけどね。「生きてます」メールに号泣しましたよ。地震怖いけど、負けないように備えてね! 

    • 上京し。しばらく会ってなかった、娘いわく

      『父の親戚?・・・・・』

      Mちゃんでしょうか?・・・・・

      それが本当なら
      こんなうれしいことはありません!

      いきなり数十年前にタイムスリップ

      懐かし・・か〜

      お元気ですか?

      娘のこと気づいてくれて
      有り難うございます!

      近況などお知らせください。

  2. kuronekonyann2さん

    メッセージありがとうございます!気づかなくて返事遅れてしまってすみません。
    息子さんが無事で何よりです。
    ほんとうに普段から防災意識を高めなくちゃと思います!ありがとうございます!

  3. 始めまして 私は神奈川県民だけど、常に地震恐怖症な症状が一年たった今でも起きます。

    トイレなどの一人の空間になると、やはり自分の鼓動で地震と勘違いしたり、寝ていても地震と勘違いして目が覚めてしまったりします。

    最近余震の頻度は減りましたが、今でも毎回警報音にはビクビクしますし、一回音がなると、しばらく心臓のドキドキが止まらないです。
    でも、なるべくあわてず、冷静になることを意識したいですね。

  4. >erkさん
    メッセージありがとうございます。気づくのが遅く返事が遅くなりました(^^;)
    やっぱり余震恐怖症の方は多いのですね。一週間前にも大きな地震がありましたが大丈夫でしたか?
    毎日防災意識を持たなきゃなぁ、って思います。erkさんも気を付けてください!