第16回 関西人への偏見


東京人に、こんな悔しいことを言われた。

「あれぇ今のボケに対する、本場のツッコミが見たかったなぁ~」

……ええ?
ええーーっ??
マジですか。まさか東京に来て「ツッコミでくれ」と要求される思わなかった。
っていうか、そもそも本場のツッコミって何?「なんでやねん」「もうええわ」漫才でお馴染みのセリフ?……それともあれ?
「そうそう、コレコレ、……ってなんでやねん!」
ってノリツッコミをすればよかったの?

……いや、ちょっと待てよ。「本場のツッコミが見たかったなぁ~」って言いますけど、そもそも今、あんたはボケてたのか?と言うところが問題だ。
東京人の発信するボケはどうもキャッチしにくいのだ。ボケなのかちょっと不思議な世間話なのか、判断しにくい絶妙なところを責めてくる。もっと分かりやすくアホをやってもらえば、さすがのあたしもツッコめたはずだ。

関西人が発するボケは非常に分かりやすい。「はい、今ツッコミどころよ」と言う空気を醸し出してくれる。なんなら「今からボケるで」と鼻を膨らましてくるので、タイミングが掴みやすい。ツッコミがうまく決まるとこちらも気持ちいいし、ボケた方も嬉しい。笑いが起きるともっと嬉しい。それが関西人。

……と、こんな話をしておいてなんだが、そもそも関西人が全員うまいツッコミが出来るとは限らない。ツッコミよりどちらかというとボケ役という人もいるし、なんなら笑いから遠い世界で生きている人もいる。
関西人は確かに明るくて親しみやすい人が多いけど、関西人=みんなオモロイ人とわけではないので、気を付けていただきたい。

そう、東京に来て感じたこと。
あたしが東京に対して偏見を持っているように、東京人も大阪に偏見を持ってる。
「大阪出身です」と自己紹介すると「関西ってこうだよね」「大阪って○○じゃん」と非常に偏った情報を話してくれる。
やっぱり一番多く言われるのは……

「関西って、一家に一台たこ焼き器があるんでしょ」

これ、よく聞かれる。

「……んー。あるんじゃない?」とあたしは答える。

実際に一軒一軒聞いて回ったわけじゃないから分からないが、大体の家にはあるんじゃないだろうか。
もちろん我が家にもたこ焼き器はあった(いまは……ないのかな?)小さいころ、みんなで集まってたこ焼きパーティしたり、晩御飯としてたこ焼きが登場したり。

そう言えば、この「晩御飯にたこ焼き」ってのを話すと東京人にびっくりされる。東京人いわく「たこ焼きはおやつ」らしい。
えー、ダメ? 別に晩御飯としておかしくないと思う。おなかなるし。むしろ晩御飯がたこ焼きやったら嬉しい。
他にも「たこ焼きをおかずにご飯を食べてるってほんと?」と聞かれることも多い。うーん、それはすごく少数派?あたしは、たこ焼きはたこ焼きだけで食べる。ひとり20個以上は食べるので、ご飯が入るスペースがないというのが理由。ちなみに「お好み焼きをおかずにご飯を食べる」人は、結構いると思う。お好み焼き定食とかあるし。これも関西だけか。

「幼稚園児がたこ焼きをひっくり返せるってホント?」とも聞かれたことがある。なんかテレビでやってたらしい。
……たしかに、あたしは物心ついたときからたこ焼きをひっくり返していた。最初はヘタッピだったが、回数を重ねるごとにピン(千枚通し)の回転の仕方だとか、はみ出た生地の処理法を学び、最終的には鉄板の油の乗り具合まで見れるようになったのだ。誰から教わるでもなく、ごく自然に学習したように思う。
これって変なんだろうか。

たこ焼き以外の話をしよう。
「大阪と言えば」で、こんな話を良く聞く。

「大阪のおばちゃんってヒョウ柄着てるよね」

うん、着てるねー。ははは。
ちなみにヒョウ柄を着ているのは、おばちゃんに限らない。(さすがにヒョウの顔がプリントされたTシャツとかはおばちゃんしか着てないけど)
若い女の子たちもファッションのポイントとして取り入れている。ヒョウ柄をワンアイテム入れてると、大阪では「なんかお洒落やん」となる。そういえばNMB48の制服の柄もヒョウ柄だ。

最後に……とある東京人の大阪旅行の感想にビックリした。

「大阪行ったらさ、みんな大阪弁喋ってるからびっくりしたよ!」

……そりゃ大阪やもんっ!!!
と一応ツッコミを入れておきました。
(あれ、これはボケじゃないの?真剣な話なの?東京人のこの微妙なラインの会話が難しい)
聞き慣れていない人からすると、大阪弁は「テレビの中の言葉」らしい。
まあ、あたしも東京にきたとき聞き慣れない東京弁にビックリしたもんな、それと同じか。

日本と言えど、西と東でこうも違うもん。
お互いに偏見はあるんやね。

第16回 関西人への偏見” への1件のコメント

  1. 初めまして。何だかよくわからない内に流れ着きました´◡`

    私は九州人ですが、思春期から10年以上大阪にいた為、心の故郷は大阪・・いわゆるエセ関西人です。

    そしてつい3ヶ月前に初めて東京に引越して来たのですが、
    とときさんと同じ事をひしひしと感じていたので、たまらない面白さでした。

    今思い返せば私も初めて大阪に出て来た時はカルチャーショックを受けまくってました。
    「あんたはも~アホちゃうか!」
    ・・・!!!!
    『アンタ』って・・・『アホ』って・・!!

    九州人だった私にとって「アンタ」とは、
    喧嘩ごしの時くらいしか使わない 敵意のある呼び方で、
    「アホ」は バカと違い、本気で卑下した時に使う言葉、
    という認識だったのですね。
    それはそれは日々枕を濡らしそうになっていました。笑

    関西を理解していく内に、「あんた」も「あほ」も愛情表現の一種だと知り、
    今となっては、それはそれは温かい言葉に聞こえるのですが、
    今思うと、関西で感じたカルチャーショックと 東京で今感じてるカルチャーショックは
    あまりに正反対で、
    この先東京に馴染む事が出来るか、不安になる時があります。
    ま、住めば都、いつかは慣れるのでしょうけどね。笑

    先日、東京で唯一のお知り合いの方とお話をしていたのですが、
    セレブなその方に、ついついいつもの感じで 節約・お得自慢をしたら、
    一瞬空気が固まってしまい、
    「あ・・いや、そういう意味じゃ・・」
    というフォローも入れきれず、なんだかやるせなくなってしまいました(=_=;)

    この試練はまだまだ続きそうですが、
    まだ来たばかりなので、頑張ります。笑

    また拝見させて頂きに来ます´◡`